FF7インターナショナルプレイ記その2

※この記事は長いです(トータル約6400字)。

道具がそろったはじめよう

 前回に引き続き、インターナショナル版プレイ記をお届けします。
 なんかもうとにかくたいへんなことになっているが(マスダが)まだ序盤も序盤なのだ。

 なお今回から画像が入ります。テレビ画面をスマートフォンまたはタブレットで撮影したものなので、当然ですが色合いとか画面のざらつきとかいろいろ気になると思いますが、まあそこは資料ということでご容赦ください。
 著作権について、もちろん思うところは大量にありますが、わたくしの文章を補完する文脈で利用することにします。これを引用というのだが、このへんの法律はものすごく曖昧らしい。ほんとはスクショなんか入れるべきでないとは思うんだけど、どうしても伝えたいところは画像入れてくことにする。ここに置いてある画像は個人的にお持ち帰りいただいてもいいですが、再アップとか二次使用はしないでください。

奥の手をセーブ

 ではさっそく、「不思議なデータディスク」をとりだして立ち上げよう。
 で、「アイテム・マテリアフル装備でスタート!」こいつをメモリーカードにセーブします。

 前回は思いがけないわなで苦戦しましたが、今回はうまくいった。よしよし。

 これ、なにがすごいかといって、アイテムとマテリアがフルでそろっているだけではなくて、リミット技も最初からレベル3まで覚えている状態ではじまるんですね。それに加えてアイテムが全部そろっているわけなので、もう序盤も序盤から超究武神覇斬が使えるんですよ。っていうかいまわたしはATOKを利用しているのだが、「ちょうきゅうぶしんはざん」と打ったらこいつを一発で変換できた。なにやってんのATOK。ちなみにわたしはクラウドくんのリミット技はみんな好きですが、なんかメテオレインが特に好きです。

 ともかく、これでようやく旅に出る準備が整った。ではディスクを入れ替えて、行ってまいります。ちなみにセーブデータのアイコンはルードでした(入れ替えるときに確認した)。

感無量

 このセーブデータは、オープニングをすっ飛ばして壱番街駅ホームからはじまるんですね。
 で、最初の短いムービーシーンですよこれです。魔晄炉を見上げるクラウドくん。

 ああもうだめ。ごめんもうだめだ……。このシーン、なんといろんなものを象徴しているのでしょうかね。彼は壱番の魔晄炉を見上げているわけです。このあとすぐ走って行ってしまうんですけど、この一瞬の見上げるモーションに、これから先の冒険というか運命が、すべて象徴的に詰めこまれていると思いませんか。こういうところなんだ、こういうところなんだよ。たとえポリゴンのガクガクのクラウドくんだろうがなんだろうが、つい引きこまれていってしまうのはですね。画質なんかどうでもいいんだ、おれはポリゴンのこのFF7がいいんだよ。ポケモンをやりこんできた知り合いが、やっぱりあのゲームボーイのポケモンが好きというのと同じじゃないかな。

 だめだなんか無限に脱線しそうだ。もう感無量。しょっぱなからこんなに感情を揺さぶられているので、わたしはあんまり7をプレイしたくないのです。このあとだんだん自分がダウナーになっていくのが目に見えている。わかっているんだ、このゲームをやると自分の内面になにが起きるかということは。このゲームはクラウドくんがそうしたように、わたくしにも内的なひとつの冒険を強いるのだ。わたくしはあの世界を旅しているわけだけれど、同時にわたくしの内面を旅しているんである。

 このへんのこと、書きはじめるととまらなくなるので、また別の機会にする。たぶん、第一回目の大きな波が来るのはカームの宿での回想だと思うので、今回はそのあたりまで進めます。

ミッドガルを駆け抜けろ

セフィクラの10年

 最初の魔晄炉爆破ミッションが終わって、八番街へやってきました。
 気がつかなかったけど、神羅カンパニーの看板が逆さになってぶら下がっているんですね。これもなんだかものすごく深い暗示だなあ。こういうもの、いっぱいちりばめられているのね、ゲームの中に。そして、ここではじめてエアリスに出会うわけです。スラムの花売り……なんだかまじで感無量。お花はもちろん買いました。

 ムービーのLOVELESSの看板を撮り忘れてしまったんですが、このLOVELESSってどういう話か気になりませんか。わたしはなる。めちゃくちゃなってた。この看板見ると、わたしはなんでかしらないが渋谷のマルキューを思い出すのだ。たぶんあのスクランブル交差点を思い出すのだと思うけど。渋谷の109がなんだってそんなにすごかったのか、いまとなってはなんだかもうわからなくなってしまったけども、ユフィちゃんのルーズソックスに象徴されるように、あれもひとつの文化の象徴でありました。たぶんこのLOVELESSの看板の女の人が、妙にあの時代を思い出させるからだろう。90年代の終わりのあの空気みたいなものを。

 タイムリーだかなんだかわからないけど、いまY2Kファッションが来てるらしくて、Y2KってYear2000って意味ですけど、めちゃくちゃローライズのジーンズとか、あの時代のファッションは肌見せが多く着こなすために信じられないほど痩せてる必要があって、まあわたしもいまよりは痩せてましたよ多少。たぶん7、8キロは痩せてたな。わたくしに青春らしい青春はあまりなかったのだが、というかわたくしの青春はほとんどセフィクラで占められているようなもんで、東京に出てきてイベント行こうと思えば行けたのに、イベントに行きもせず同人誌を買いもせずひたすら引きこもってセフィクラサイトめぐりをしていた。

 あのころはちょっと異様だった。自分で書くなんてことは、当時のわたくしは思いもしなかったので、ひたすら人様のセフィクラにお世話になっていたが、まあだいたい世にあるサイトは見尽くし読み尽くしたのではないかと思う。それくらいわたしは引きこもりで、引きこもりで、引きこもりだった。FF7ACが出たときには、もちろん買ったけれども、そして当時のセフィクラ界隈の盛り上がりっぷりも知っているけれども、わたしはそれを眺めつつ、ひたすらACを見て、ACを見て、セフィクラを読んでいた。

 あれ、わしこんなこと書いたことあったかな。なんかはじめて書いているな。ようやく書けるようになったんだなこういうこと。
 ついでだから書いておくと、なんでセフィクラがわたしにとってこんなに特別なのかというと、人が青春時代に本来あちこちに向かって費やしているべきエネルギーを全部こいつに注ぎこんでいたからだと思う。人がサークル活動したり飲みに行ったり恋愛したり映画見たり遊んだりして費やす時間を、わたくしはFF7に、じゃなくてセフィクラにみんなぶっこんだのだと思う。恋というものがあるとしよう。そして、初恋というものがほんとうに人生でただ一度きりのものであるとしよう。そうすると、わたくしの初恋の相手はおそらくクラウドくんであり、彼の恋するセフィロスであったことになる。

 こうなると、これはもうめぐりあわせである。いまならばわかるけれども、人の思春期というのはやっぱりちょっと特別な色合いを帯びていて、特別な熱量をもっている。それはある時代が過ぎると、もう二度と戻ってくることがないのだが、その後の人生の長さに比べ、この一時期はあまりにも短く、同時にまたあまりにも激しい。
 わたくしがどれほどいわゆる内向的人種であるかは、たぶん皆さんおわかりだろうと思うけれども、このような人種にとっては、外の世界というものがいったいなんであるのかを、ただ理解するためだけに一生を費やさねばならないところがある。わたしは自分の外の世界というものをほんとうの意味で理解したことは一度もない。それが存在するかどうかはっきりわかったためしもなければ、わたしのなかにひたすらセフィクラ読んで部屋にこもっているあの時代からなにか進歩したものがあるのかどうか。というか、それがわたしの存在のほとんどすべてであるかもしれない。セフィクラ読んで(いまは書いて)引きこもっている。それ以外の状態のわたしが、いったいあり得るかしら。

 ともかくも、人が青春を費やし熱を上げたものは、たぶんその人の人生のすべてを象徴しているのに違いない。だからわたしにとって、セフィクラはたぶんわたしの人生のすべての側面を、余すことなくあらわしているのであろう。そしてわたしはそれ以外のものをときどきつまみ食いしてみたが、結局すべてを背負って、またここへ戻ってきてしまったのだ。12か13の年から、22、3になるまで、わたしの二次創作といえばセフィクラであり、わたしのゲームといえばFF7であった。わたしはだから、厳密な意味での「オタク」とはいえない。わたしはそれ以外のゲームにもアニメにもろくに関心を示さなかった。わたしはひたすらセフィクラを摂取して生きていて、それが人生の8割くらいを占めていた。

 だがこの10年は、ほかのあらゆる時期の10年とは決定的に違っている。わたしは青春時代のすべてをセフィクラとともに過ごした。キリスト教に興味をもって接近したのや、改宗したのや、なにがなし人生の霊的側面というものに目を向けるようになったのはこのあとなのだ。人が悩み苦しむ時代、わたしはただセフィクラとともに生きていた。そして一度そこを抜け出さねばならなかったのだろう、ちょっと抜け出して、また戻ってきて、2年くらいでまた出ていったが、結局戻ってきて、もう出て行きそうにない。

 いまなら、わたしは自分がどうしてここまでセフィクラに人生を絡めとられているのか理解できる。それはわたしの内面をこよなく、こよなくあらわしている。当時わたしはそんなことを知らなかった。こんなことがわかったのは最近のことだ。そしてセフィクラなるものが織りなす一連の物語のなかに、未来にあらわれるわたしのすべてが眠っていたことに、わたしは驚き、呆れ、深い感慨に打たれているのだ。

 わたしはわたしのことを少しも知らない。だが神はご存じだ。否、摂理と云いかえてもいい。わたしはセフィロスのことをよく知らなかった。だが実はよく知っていることに、あとから気がついた。

神羅ビル嫌い

 待った、こんなことを話していたらきりもかぎりもないではないか。わたしはこんなことをお伝えするつもりで書き出したのではないのだよ。でもちょっと楽になった。否かなり楽になった。わたしがFF7をはじめるとなんだってこんなに感情が乱高下するのか、なんだか今度こそ腑に落ちた気がする。

 で、ゲームの話だった。爆破ミッションからセブンスヘブンに帰ったら、ティファとの思い出の時間である。

 クラウドくんまったく責任感のかたまりみたいな男だけど、ティファとの約束なんか思い出して律儀に守っちゃおうとするとこなんか、ほんとにそうだ。で、この過去の約束の思い出から、ティファがそういう男の心理を鼻で嗅ぎわける女であることがよく理解できる。個人的にティファは、女に嫌いと云わせてなんぼみたいな女性キャラクターだと思っているけど、それは彼女があんまり生々しく女だからだ。彼女は湿地帯で待ち受けている、狡猾さの自覚のない女の幽霊みたいなとこがあって(これ、ほめているんだ、最高に。でも好きなひとごめんね)、性格とかなんとかいうよりもっと深い部分で女として女を揺さぶる女だったりする。こういう女に絡まれると幸せなのか不幸せなのか、わたしはわからない。でもクラウドくんが反応しているのは、ティファがくすぐってほじくり出すクラウドくんの男なんだ。これやられると、どうしようもないんだ。わかるよ。

 そして伍番魔晄炉爆破後、教会で目を覚ます。
 
 この直前に、クラウドくんが大丈夫かとか、体動かせるかとか、あのときは膝すりむいただけすんだけど、とか語りかけられますが、この人は誰なのか、ずいぶん長いあいだよくわかりませんでした。
 クラウドくんの言動やらうちなる声やらは、エンディングまで見てひと通りストーリーわかっていてもなおかつよくわからない感じで、なんべん彼を見ても彼のことがよくわからないんですが、まあそれがすごく魅力的なんだけれど、このへん、リメイクとかどうなってんの? いや知りたくないんですが。
 このインターナショナル版を、わたくしはそれこそ聖書のように一字一句ゆるがせにできぬ聖典並みに思ってるから、あえてこれを壊すようなことしたくなくて(正解を決めつけられたくなくてと云ったほうが正しいか)、あらゆる解釈の自由と最大限の余白を守りたくて、わたくしはたぶん一生リメイクに手出さない。だってこのテキストに声ついたらおしまいでしょう。情報の少なさによって生まれる味わいとか余韻とか要するにあらゆる創造を生むもののすべてを、世界から追放しようとする勢力がいるとしたら、わたしは逃げる。

 なんだかまた話がとっちらかっていってしまうな。気をつけよう。
 
 この章に、神羅ビル嫌いというタイトルをつけたけど、なんでかというと、あの監視にばれないように○ボタンで合図するとこあるでしょう。神羅ビル60階の。これ結局毎回戦って、全滅させてしまう。こういうのほんとうに嫌いなんです。反射神経がないし、ゲームの操作も苦手。これは昔から変わらない。FF7に唯一いやなとこがあるとしたら、こういうゲーム性をちょいちょい要求されるところ。バイクとかスノボとか潜水艦とかコンドルフォートの戦闘とか。どれもできない。まったくできない。わたしはゲームやる人間じゃないんだ。とほほ。

 でも資料室の資料で、ガスト博士は生物博士だということを確認できたのでよかった。よく覚えておこう。分子生物学専門とかだったらいいなってちょっと思ってる。こういうのすごく大事……今回はこういう細かい設定の確認がしたかったんだ。ドミノ市長も元気そうだった。よかったよかった。

 続いて、わたくしが非常に象徴的だと思うシーン。

 これね、このプレジデントが背中を刺されて死んでいるやつね。これ、わたしに多大なるインスピレーションを与えつづけてくれる場面で、これ権力が倒れた以上に父親が倒れたというイメージを喚起させられる、わたしのなかで。しかもこれはルーファウス神羅の父親殺しじゃなくて、セフィロスさんの父親殺しなんですよ。そのへんのこと、『降誕祭の夜』あたりでちょいちょい書いているんだけど。この作品内でのプレジデントとセフィロスさんの関係は、すべてこのたったひとつのシーンからの着想なのです。
 そのあと、CCでセフィロスさんがなんかのときに(忘れた)社長守るために社長室行ってて、ああーやっぱなーって思った。プレジデントをまじめに守れるのなんかセフィロスさんしかおらん。

 ルーファウス神羅と戦ったら(ヘリの速度が速くて写真撮る前に逃げられた)、わたくしがたいへん好きな、かっこよいクラウドくんが見られるムービー。あああ。。彼は男なんだ、わかるか。

 でもって、神羅ビルから出ました。ミッドガルからも出ました。カームまで来て、今回はここまでです。
 余談だけどここまで来るのに、もうすでに4時間以上かかっている。セーファ様が遠い。

 そういえばわたくし、ディスク1がミッドガル出たところで終わると強固に勘違いしてましたが、まだ終わらないじゃないの失礼しました。
 カームの回想シーンは本当に気が重い。やりたいようなやりたくないような。でも戦うセフィロス様が拝めるから頑張る。