料理人マンツ氏の並ならぬ憤慨
いつものように、伯爵さまが寝床の中で呼び鈴の紐を引くと、執事のヒンケルがすぐにやってきた。いったいに、執事というやつはいつでも、どこへでも現れる。伯爵さまは昔、というよりいまでも、これがたいそう不思議でならなかった。彼の城に長年勤めた老執事ベドウズは、伯爵さまが城のどこにいようといつもそのそばにいるらしかった。同時に、彼の父がどこにいようと、そのそばにもまたいたらしいのだ。父親とその話になったとき、父は息子にこう云った。「これはたぶんだがねえ、執事という連中は、身体を最低三ないし四は持ち合わせていて、目はその軽く倍はあるに違いない、とわたしは思うね」
それで、ドリアン坊やは父親にこう訊ねた。
「でも、そんなにたくさんの身体や目を、どうやってひとつの魂で管理するの?」
すると父はまじめな顔つきになってこう答えた。
「実は、ここだけの話だよ、お父さんは、人間の魂だってひとりにひとつとは限らない、と疑ってるんだ」
この話は、ドリアン坊やに大変な感銘を与えた。それで、坊やはしばらくのあいだ、相棒のクマのウィスパーといっしょに執事のあとをつけまわした。もしかすると、ひょっこり彼の身体や魂や目が分かれたり、またひとつになったりするところを見られるかもしれなかったから。
このささやかなお話は、執事持ちの連中にはたいがい通じた。よって、エーベルバッハ少佐にも通じた。少佐の意見では、やつらの教育カリキュラムの中には、千里眼という必修科目が導入されている、絶対に間違いない、ということだった。
さて、偉大なる千里眼者のひとりである執事のヒンケルは、まるでドアの向こうに立っていたかのように、限りなく短い時間でやってきて、いつものように寝室のカーテンを開け、伯爵さまへ温かいタオルを差し出した。伯爵さまはそれを顔に当てて眠気を追いやりながら、彼の主人はなにをしているのか訊いた。
「はい、それがでございます、伯爵さま」
執事が困ったような声を出したので、伯爵さまは首をひねって彼を見やった。執事はいささか困惑したような顔をしていた。
「どうしたの、云ってごらん!」
伯爵さまが優しく云うと、執事ははい、ともごもご云ってから、
「実は恐れながら、お願いがございますのです。お風呂へお入りになりまして、お支度ができましたら、お手数ではございますが、料理人のマンツを見舞ってやっていただきとうございます」
「彼がどうかしたの? 病気なの?」
伯爵さまは完全に眠気がさめてしまった。そうして、執事が差し出してきたガウンを羽織った。
「いえ、そうではございません。ぴんぴんしております。ご心配には及びません。お心遣い恐れ入ります。彼は今朝方、八時ごろから持ち場を追い出されまして、寄る辺なくあたりをさまよっているのでございます」
「持ち場を追い出されたって?」
伯爵さまは驚いて相棒のウィスパーを抱えた。
「そりゃあまた、どうして? この城の厨房に魂があるような男なのに?」
料理人マンツは、赤ら顔の、太って大柄な、執事と似たような年頃の男だった。長年第一線で働いてきた職人らしい、いかめしい厳しい顔つきをしており、厨房にいるあいだはとにかく、鬼のようにおそろしかった。彼はもう三十年来この城の厨房という戦場を支配していた。きっかり正確に食べごろの料理を提供するために、ぎょろぎょろした目つきで絶えず前線に注意を払い、出入りする使用人にほとんど罵声に等しい指示をとばし、同時にオーブンや鍋やフライパンを操った。彼は厳格で、容赦ない仕事を自分にも他人にも要求した。耐えられずにやめていく見習いもかなりいた。しかし彼は、自分のスタイルというものを変えなかった。また、変えてはならなかったのである。厨房ハ戦場ナリというのが彼の見解であった。一歩間違えば、死人が出るのであった……ころあいを失った料理という、料理人にとって恥ずべき死人が。
マンツは料理人であった。一級の職人であった。彼の魂は仕事とともにあった。その彼をして前線を放棄させる事態が出来するとは、まったく並ならぬことだった。
「まことに痛ましいことでございまして、伯爵さま」
執事は悲しげな顔で云った。
「ただいまのマンツめは、見られたものではございません。落ちつきを失い、ほとんど茫然としております。そろそろ怒り出すでございましょう。しかし、やむを得なかったのでございます」
伯爵さまはもう我慢ならなかった。
「いったい、この城になにが起きたの? 秩序の権化みたいなこの城に!」
彼は興奮して、相棒をぎゅっと抱きしめて叫んだ。執事はいささか苦しげな顔をした。
「はあ……実は、マンツめの領域を侵害しましたのは、ほかならぬご主人さまなのでございまして」
伯爵さまは目を丸くした。
「手前はずいぶん長いことお勤めしてますがね」
と料理人のマンツは食堂の椅子のひとつに巨体を押しこめて、あえぎあえぎ云った。
「こいつはこたえます。正直に云って、あんまりでさあ。おやじの弁じゃねえですがね、仕事持ってるお貴族さまってのは、やっぱり、あんまりほめられたもんじゃねえですよ。いや、あたしゃあ仕事そのものが悪いとは云わねえですよ。そりゃもちろん、やることがあるってのはいいことですよ。特に男ってのは自分の義務と仕事を持ったとこからがほんとなんですからね。問題は、あんまりそれにのめりこみすぎるってことなんでして。いくら仕事とはいえ……いや、仕事ならいいんでさ。割り当てられた仕事だったら、大工仕事だろうがゴミあさりだろうが、そりゃ、そんときはやらにゃいかんでしょう。それが男ってもんですからな。ですがねえ、仮にも一城のあるじがですよ、仕事を離れて私生活のど真ん中ってときにまで、自分とこの料理人をおっぱらって、厨房でがさごそはじめるなんざあ、こいつはちょっとばっかし、ことですよ、伯爵さま!」
彼の憤慨と狼狽は大変なものだった。はたで見ていてさえ、気の毒になるくらいだった。彼は料理人なのだ。厨房を追われるのは、敗戦さながらの屈辱であるに違いない。伯爵さまは同情を示すために眉を下げ、おお、と声を上げた。
「いったい、正確には君と、君の持ち場になにが起きたの? クラウスは無慈悲にも戦車で突撃して、領地を占領奪取でもしたの?」
「そうおっしゃられても、確かにそうひどい間違いじゃありません、伯爵さま」
マンツは額の汗を拭った。彼の顔は、興奮でいつにも増して赤かった。
「八時ごろでごぜえました。ご主人さまの朝食がすみましたんで、手前はあなたさまにお出しする朝食の準備にかかるとこでごぜえました。手前はクロワッサンの生地を作ろうとしてたです。綿棒を持ち出して、台の上に打ち粉をして準備してたんでごぜえましょう、そうしますってえと、ご主人さまが入って来られて、厨房と、オーブンを半分貸せとおっしゃるですよ。そんなこたあはじめてでした。手前はびっくりして云いましたよ、おことばながら、ご主人さま、厨房ってのは全体でひとつでして、畑みてえに半分に区切ったりはできねえですよって。ご主人さまは納得しかねるご様子でした。で、手前になにをしてるのか訊きますでしょう、手前は命に替えても、あなたさまのご朝食を用意するつもりだったです。その次にはご昼食をですね。それを伝えますと、ご主人さまが……これをあなたさまにお伝えするのは気が引けますが……そんなものは一回くらいぬかしたところでたいしたことはない、とおっしゃったですよ! あなたさまに、ご主人さまの朝食の残りのパンや、夕べの残りをお出ししろとまでおっしゃったですよ! そのときの手前の気持ちを考えてくだせえ! ほんとに胸が張り裂けそうでごぜえました。まったく。いったい、そんなことができますか? あなたさまが朝っぱから、なんの咎があって一度冷えきって味の落ちた前日の惣菜や数時間前のパンをお召し上がりにならにゃならんですか? そうだとしたら、おりゃあいったいなんのためにここにいるですか?」
伯爵さまはしだいに激高してくる彼をほめ、ねぎらい、感謝し、なんとか話を元へ戻した。
「手前は、気持ちを抑えてご主人さまに訊いたです、なにをなさるおつもりですかって。そしたら、こうお答えになったですよ、ちょっと菓子を作る。ちょっと菓子を作る? 手前は、目ん玉が転がり落ちるかと思ったです!」
マンツの目がほんとうにふたたび飛び出した。彼の驚きは、まったくたいへんなものらしかった。
「こんな話ってねえですよ! 確かに、ご主人さまが一度お仕事でなにかそんなようなことをやるはめになった、って話は聞いとりました。そりゃ、もちろんしょうがねえです。仕事なら。だけどそれにしたって! 手前は止めようとしたです。だけど結局おん出されたですよ。情けねえですが。で、いまはご主人さまが厨房にいるです。ご主人さまは、本やら食材やら、ごっそり持ちこんじまいました。手前の厨房が、いったいどうなることか……作業中おそばに置いていただくか、せめてちょいと中を覗けたらいいんですが、そんなことしたら、ご主人さまはマシンガンでもぶっぱなしかねねえ勢いでして……」
マンツは悲しそうに額の汗を拭った。マンツの後ろに控えて立っていた執事のヒンケルが、重々しく口を開いた。
「わたくしにとりましても、この件はまことに遺憾でございます。あのご主人さまが、ご自分で食材屋……どこかは存じません、おそらくスーパーなるところでございましょう。ご主人さまの帰り道には、その手の店がいくつもございますから……まったく、いまいましい世の中でございます! こうも簡単に、無差別に、誰でも食料品店に出入りして買い物ができるとは! これが昔からの店でしたら、店主が腰を抜かして、決してご主人さまに袋を持ち帰らせるようなことはしませんでしたのに。いえ、ご主人さまは、それをわかっておいでなのでございます。ですからあえて、どこのなにとも知れないようなスーパーなんぞというところへ行かれたのでございましょう。あのご主人さまが食料品店で買い物をなさったうえに、ご自分で品物をお運びに! わたくしは……」
伯爵さまは執事をなだめ、いたわり、その深い嘆きへの理解を示して、どうにか話を終わらせた。伯爵さまはもうくたくただった! 今日は結局、朝のお風呂にも入っていないのだ! まったく、ご主人さまもなんのつもりか知らないが、大変なことをしてくれたものだ! 伯爵さまにはわけがわからなかった。なんだって、急にふたたび菓子職人になる気になったのか? 彼はもしや、その仕事が気に入ってしまったのか? あんなに甘い匂いが嫌いで、できあがったものの味見もできないほどなのに? ほめすぎたのがいけなかったのだろうか? エーベルバッハ少佐は、もしや調子に乗ってしまったのか?
「君たちの嘆きももっともだよ。いったい、クラウスときたらなんのつもりだろうねえ。君たちをこんなみじめな気持ちにさせて! 厨房から出てきたら、みんなで仕返ししてやらなくちゃいけないよ」
伯爵さまは少佐に腹が立っていたので、すっかりその気だった。職務上の誇りを傷つけられた忠実な使用人ほど始末に負えないものは、ちょっとほかにないからだ。そんなのをふたりも相手にしなければならない方は、まったくたまったものじゃなかった。伯爵さまは大きなため息をついた。執事と料理人も、つられて大きく息を吐き出した。ほかの使用人たちが、食堂のドアの陰からこれをこわごわ見ていた。
突如として出現した菓子職人エーベルバッハは、それからなお一時間以上も厨房から出てこなかった。料理人マンツは発狂寸前だった。執事は嘆きと心配のあまり体重が軽く一キロは減っていた。伯爵さまは風呂に入ることはできたが、腹ぺこだった。おまけに、厨房からただよってくる甘ったるい、いい匂いときたら!
「チョコレートですな。しかし、クーベルチュールとはいいかねるですよ! そんなもんがスーパーなんぞにあるたあ思えねえ」
料理人マンツはしかめっ面で云った。
そのときだった。食堂のドアが開き、白い調理服に身を包んだ主人がのっそりと顔を出した。
「おまえたちはそろってなにをしとるんだ?」
彼は食堂に集まった伯爵さまと、料理人と、執事と使用人たちを眺め回した。みんなこの発言にあきれた。
「君のせいだよ!」
伯爵さまは拳を振って叫んだ。
「君が厨房を占領するから、マンツはこの通り泣きはらして目を赤くしてるし、コンラートは心配でやせ細るし、みんなおろおろして、おまけにわたしは腹ぺこなんじゃないか!」
無神経な主人は、わけがわからないという顔をした。
「おれが厨房を借りたのがそんなおおごとか?」
「おことばながら、そのように存じます」
執事が重苦しく云った。
「第一に、わたくしが記憶いたしますかぎりにおきまして、こんなことははじめてでございます。第二に、ご主人さまは、これまたわたくしの記憶いたしますかぎり、一度もまともにお料理などなさったことがございません。また、その必要もございませんでした。第三に……」
「もういい、わかったわかった」
少佐は鬱陶しそうに手を振って、執事の話を中断させた。
「厨房はお返しいただけるんでしょうか?」
料理人マンツが苦々しい顔をして訊ねた。少佐はうなずいた。
「もうほとんど片づいた。というかあとはここへ運んでくるだけなんだが、おまえらが邪魔なんだ。さあどけどけ」
傍若無人な主人はそう云って、みんなを食堂から追い出しにかかった。マンツは許可が出たものと見なして、厨房へ飛んで帰った。使用人たちは散り散りに逃げていった。執事は哀れな顔をして、とぼとぼドアをくぐった。その執事を、少佐は呼び止めた。
「おまえがいつも食事どきに鳴らす銅鑼だが、あいつはいったいどこにあるんだ?」
「そんなものが、いったいご入り用なのでございますか?」
執事はおそるおそる訊ねた。
「大いに入り用だ。おれがゴミ箱へやるために菓子を作ったとでも思っとるのか? 銅鑼が鳴ったら、おまえは使用人を全員食堂へ集めるんだ。ひとり残らずだぞ。欠席は禁止する。でないと余りが出るからな」
執事はなおいっそうおびえたような顔になって、あわてて銅鑼を取りに走った。少佐はその後ろ姿を見送って、ふん、と鼻を鳴らした。
「君はいったいどうしたの?」
伯爵さまは立ち上がって、少佐をしげしげと眺めた。白い調理服姿は、確かになかなか板についていた。でも、似合っているとは思えなかった。
「なんだってこんなひどいことをはじめたの? かわいそうに、みんなすっかりおびえてるよ!」
少佐は肩をすくめた。それから伯爵さまはお互いに今日の挨拶がまだだったことに気づいて、彼にキスした。どことなく甘い香りがした。少佐はそれが済むと伯爵さまも容赦なく食堂から追い出して、サロンへ行って待っているように、とだけ云った。伯爵さまはしょうことなしに云われた通りにした。
廊下で、執事とすれ違った。彼は大きな銅鑼を運んでいた。
「わたくし、考えましたのですが」
執事は云って、許可を求めるように伯爵さまをちらっと見た。
「云ってごらん、コンラート」
伯爵さまはうなずいた。
「本日は二月の十四日でございます。聖ウァレンティヌスの祝日でございます。わたくしどものドイツにおきましては、伝統的にあまり喜ばしいお祝いの日とはみなしておりませんが、伯爵さまのイギリスにおきましては、また、欧州全般の近年の風潮といたしましては……」
執事がそれ以上のことばを続ける必要はなかった。伯爵さまは顔を輝かせた。そうして、すごい勢いで駆けだしていった。
執事は肩をすくめて、微笑した。
銅鑼が鳴り響くと、みんないやいや食堂へ集まった。料理人のマンツはしかし、うれしそうな顔をしていた。厨房の被害はそんなにひどいものではなかった。それどころか、彼の主人は使用人たちよりもきれいに、徹底して後かたづけをしていた。マンツは持ち場がきれいになってほくほくしていた。
執事のヒンケルが大きなポットにお茶を運んできた。何人かがあわてて駆け寄って、役を代わったり、カップや皿を運び出しにかかった。それでヒンケルはマンツの横へ腰を下ろした。
テーブルの上には、銀のケーキ台がふたつ並んでいて、ふたがかぶせてあった。菓子職人エーベルバッハがやってきて、重々しくふたを開けた。チョコレートのトルテと、生クリームとイチゴで飾られたトルテが顔を出した。それぞれ、きっちり十二等分に切られていた。みんなは顔を見合わせた。
「どうした。好きなやつを取って食え。残すなよ」
それでみんな震え上がって、号令をかけられたように一斉にケーキに群がっていった。少佐はそれを見て満足し、食堂から姿を消した。
サロンでは、伯爵さまがソファに長々と寝そべって、相棒と戯れて遊んでいた。暖炉がぱちぱち音を立てていた。少佐はふたをしてある銀のケーキ台と、ティーセットの乗ったカートをうやうやしく運び入れた。伯爵さまは身体を起こし、少佐をうろんな目つきで見やった。
「お腹と背中がくっつきそうだよ。君のせいで、わたしは朝からまだなんにも食べないんだからね!」
少佐はソファの前で膝を折り、伯爵さまへ詫びた。伯爵さまは吟味するように目を細めた。
「こちらでお許しねがえませんでしょうか?」
少佐はテーブルの上へ銀の器を置いて、ふたを開いた。伯爵さまは息をのんだ。美しいトルテ! 円の中央部分には、薄く削ったチョコレートが敷かれていた。その周りを、生クリームを絞った上にサクランボを乗っけた飾りでふちどってあった。伯爵さまは早く食べたくて手足をばたばたさせた。少佐はあわてず急がずケーキのひと切れを皿へ置き、お茶を淹れた。伯爵さまはひと口食べて、飛び上がり、少佐に飛びついてキスした。それからまたケーキを食べ、お茶を飲んだ。彼は相棒と分けあいながらふた切れ食べた。それ以上は、シェフがだめ、と云ったので、泣く泣くあきらめた。
それから今度は伯爵さまが少佐へ長い長い手紙を送った。少佐は読むのに骨が折れるほどだった。彼は何度も頬が赤らみそうになるのを抑えねばならなかった。しまいには、ふたりとも照れて、どうしたらいいかわからなくなった。それで、手っとり早く抱き合ってキスすることにした。伯爵さまは何度も声を上げて笑った。
「いまごろみんな、ケーキを食べ終えたと思う?」
伯爵さまはしばらくして、小声で云った。
「とっくに食ったに決まっとる。だがおれは皿は洗わんぞ。なんたって、使用人じゃないからな。そこまで面倒見てやる必要はないんだ」
「君って、親切なのかなんなのか、よくわからない男だなあ! ドリアン坊やは困って倒れちゃうよ」
伯爵さまはほんとにソファに倒れた。少佐は介抱しなければならなかった。あんまりそれに忙しかったので、昼食の銅鑼が鳴るまで時計も見なかった。
身分のあるひとがなにか変わったことをするのは大変だと思う。