つまり原画展へ行ったことが原因である
あれですね、あの手を取り合って喝采を受けてるふうの少佐と伯爵を生で見てしまったのが最大の原因でありました。このときの伯爵さまはたいへんお美しい純白のドレスを着ていて、皇帝円舞曲の本編と衣装が違うので、ということは、たぶん別個にまた舞踏会でワルツを踊る機会があったのかもしれない、と妄想し、妄想したらこうなりました。
この話をあんまりまじめに考えてはいけません。この手の話に現実的なつっこみをしてはいけません。これは普通警察の仕事でスパイはこんな仕事はしないとかですね。そういうことはつっこんだらきりがないです。だってわれわれは結局そういう詳細をぜんぜん知らないわけですから。われわれがリアリティがあると信じているものが、本職から見れば間違いだらけな可能性もあるでしょう。それにこの手の話の力はそんなところにあるわけではないわけで。アクションものも、スパイものも、探偵ものも、そういうのは全部、たぶんそうでしょう。
わたしが書きたかったのは、ただ部下たちがちょっとかっこよく仕事をこなすところと、少佐と伯爵が協力してお仕事しているところ、それに、舞踏会で踊るはめになるというか、踊ることになる話なのでした。本編ではしきりと無能扱いされる部下たちですが、きっと彼らは優秀なはずだ、だってNATO職員だから! それに少佐はたぶん、いつもはこんなふうになにもしないで御大らしく控えているはずです。
読んでいただいてありがとうございました。雰囲気だけお楽しみいただけたら幸いです。
わたしほんとに伯爵さまの女装が大好きみたいです。
あと、皇帝円舞曲のお話がえらい好きみたいです。サイン会で気づきました。あのふたりが正装して踊るなんて、考えただけでふるえが出ます。