あとがきと謝意・謝罪
これが人生はじめてのリクエストでした。わたしがもの書きはじめて三年かそこらになりますが、これまでひたすら自分の書きたい方向だけ見つめて書いてきて、それが変わってきたなと思ったらセフィクラに転んで、どんぴしゃなものをいま書いているんですけど、ようやくちょっとはひとさまの要望をとりこめるだけの幅が出てきたのかと思います。
リクエストいただいた内容は、要約すると短編(これ→)に書いたニブル事件なし版のふたりだったのですが、そこにたどり着くまでに越えなければならないものがいくつかあって、こんな長さになりました。。すみません。。。クラウドはソルジャーになれるのか否か。なれない、というのがわたしの結論だったから、そこを書かないといけなかった。結婚するなら、その動機がないといけなかった。ついでに云うなら、どうしてクラウドがザックスとは友達になれたのかってことも、ちょっと明確にしたかった。そういうものを回収していったら、こんなことに。。
リクエストと云いながら、話をいただいたイチさまにはかなり好きにやらせていただいて、ありがたいと思っています。相当好きにやりました(笑)おかげで、書き上げてみたら、なんだか思ったより入れこんでしまっている自分がいたりして、本編の流れを無視した話を書くとこんなふうに動くんだなあこのひとたち、というのが新鮮でございました。
こういうネタが好きな方はいるのかな? 書きたいものが出てきすぎて、派生品をいくつも作れそうな余韻を残してダイジェスト版みたいになったので、細かいところ、つめて書きたいなという欲求もあります。
とりあえず、今回のリクエストはこんな形になりました。こういう長いのも書けと云われれば書きますので、そしてだいたいの長さのものはひと月以内対応できるはずなので、次回以降もしキリ番踏んだ報告してくださる際には、あまりお気になさらずに長文でも短文でも投げてくださればと思います(笑)
リクエストくださったイチさま、そしていつもいらしてくださるみなさま、どうもありがとうございます。ものすごい感謝をこめて。そして至らない点に大いに反省と謝罪をしつつ。
以下、どうでもいい話。
エロイック、ということばをタイトルに選んだ理由を説明しなければなりません。エロイック=フランス語。英語にするとヒロイック。英雄的な、大胆な、そういう意味あいで使われます。エロイックなのは、セフィロスじゃありません。クラウドのほうです。彼の意志、力、情念。それによって動いていくもの。全力で立ち向かうこと、ぶつかること、先のことなんて考えないでがむしゃらに進むこと、人生が与えてくるものに、あっけらかんと身をゆだねること。その奔放、本能。自覚されない知性。そういうものこそ、わたしはなによりもエロイックだと思う。そこから派生する幸福。そんな感じです。
じゃあセフィロスが単なるずるずる屋で、引っ張られているだけなのかというと、そういうわけでもない。結局、恋愛のさまざまな要素は、遊戯にすぎない。表面上の力関係、依存の度合い、そういうものは。もしもお互いがすっかり自分でいるならば、そして相手がそのひと自身であることを、阻害しないならば。
すべてのことばの選択には、たぶん意図がある。「または」じゃなく「あるいは」。「でも」じゃなく「しかし」。「全部」じゃなく「すべて」。音の響き、雰囲気、それも選択の要素になる。感じ方はひとそれぞれだけれど、エロイック、ということばの響きからたちのぼる雰囲気を、ちょっと混ぜこみたかったのもあると思います。予測不能な言語活動に、わたしはいつも畏怖を抱いている。好きだけれど。わたしのことば、わたしの磁場、それがすこしでもどなたかの暇つぶしになればと願って。