登場人物一覧(おおよそ出てくる順に)
これだけで、なんとなく話が見えてくるから不思議。
ただし、最初に読むと多すぎていやになるかもしれない。それに、ひとによっては、説明がくどすぎて癪に障ることもあるかもしれない。そのへんはまあ、お好みで。なんといっても、これは備忘録だから。伝統的に。
クラウド・ストライフ
無敵の十六歳(本人談)。ぜんぜん見えないが職業軍人。セフィロスつきの家政婦グロリア未亡人から譲り受けたポラロイドカメラにはまっていて、どこへでも持ち歩いては、ぱちぱちやっている。このお話の舞台は冬なので、すごくずれやすい耳あてをしている。冒険精神旺盛。考えようによっては過多。でもこれは、年ごろの少年なら仕方がないことだ。
セフィロス
元英雄。でも一部にはあれは幻だったと云われている。なぜって、彼はただいま休職中だからだ。理由は、仕事が自分に合わないから。だから、長期休暇を取ってもぜんぜん問題ない。容姿に反比例して性格が地味なので、顔は覚えてもらえるが中身はなかなか覚えてもらえない。どこへでも本を持ち歩くくせがあるけれど、目下その項目を「どこへでも本とクラウドを……」に訂正しなければならないのではないかと思っている。
ザックス・フェア
ソルジャークラスファースト。その名字が指し示すところの精神を持ち合わせた稀有なひと。いつもなにかしゃべっていないと気が済まないのが玉にきずだけれど、それだって、慣れれば大したことはないし、彼がどれだけ役に立つ男であるか知っているひとにとっては、そんなことは欠点のうちに入らないくらい些細なことだ。特技は、すごくよく寝ること。父親から口唇ヘルペスウィルスをもらい受けているので、あんまりストレスがかかったり、疲れすぎたりすると、それが出てくる。本人はあんまりよく思っていない。
ミッドガル壱番街の駅長と副駅長、赤帽ふたり
その名の通りのひとたち。赤帽ふたりは、幼なじみどうし。
ウィリアム・ウィリアムソン氏
神羅コンチネンタルエクスプレスの客室係。その道のプロ。五十三歳独身。
プレジデント神羅
神羅エレクトリックパワーカンパニーの社長。ただの狸じじいかと思いきや、セフィロスに熱心に気分転換を兼ねた旅行を薦めてきたり、乗り物酔いがひどかったり、水虫のカサッカキだったりする。
クラウドの母さん
肩書きの通り。息子をすごく愛していて、文句なく世界で一番かわいいと思っている。その次は自分。クラウドに荷物を送ることと、自分の美貌を維持するのが生きがい。息子のこととなると、見境も容赦もなくなる。毒舌で皮肉屋。悪いひとではないけど、要するに、ちょっと恥ずかしがり屋なのだ。
マグリム氏およびその婚約者のマティルダ・ラスカ嬢
うら若き貿易商と、その婚約者。棲遅したマグリム氏の父親に会いに、ミディールへ赴く途中。マグリム氏の父親は元ジュノン駐屯軍大佐。セフィロスはそのひとに、たいへん世話になったことがある。マティルダ嬢はたいへん美人で、そして美人というのは不幸な目に遭いやすい。物語の中では。
ゲインシュタルトさん
チョコボ車の御者。その道四十年のベテラン。子どもが六人いて、それでも足りないくらい子どもが好き。チョコボのことも、人間とまったく変わりなく愛している。
ケルバ
ゲインシュタルトさんのチョコボ。オス。六歳。神経質だけど、仕事は丁寧。一度なついたひとはぜったいに忘れない、義理堅いやつ。
パンゴ
同じくゲインシュタルトさんのチョコボ。オス。三歳。陽気なお調子者で、仕事はまだまだ半人前。
ライラ嬢
庶民的パブのウェイトレス。灰色がかった緑の瞳の、チャーミングな十七歳。おしゃべり。接客は大のお得意。特に、男のは。
エリック・エリクソンさん
プレゼントされた山高帽のサイズに悩む、心優しき老紳士。ちょっと変わったクラブ「S・O・N」のメンバー。
ピエント氏およびその奥方
保養地管理人夫妻。ピエント氏はおしゃれさんで、動物が大好き。奥さんはすごく太っていて、料理がとても上手だ。ピエントさんは長年がりがりの痩せっぽちなのがコンプレックスだったが、奥さんと結婚してはじめて太ることができた……そのかわり、血液検査の数値もひどいことになったけど。
コランダー捜査官とライオネル捜査官
平和な保養地にいきなりやってきたいかめしい仕事のひとたち。でもこの職業のひとたちは、意味もなくうろうろするわけではない。たぶん。
ホープニッツェル教授
古代種研究の専門家。ミッドガル大学名誉教授。でも、教授と名のつく人間にはろくなのがいない。有名どころだと、犯罪界のナポレオン、モリアーティ教授なんかがいる。頭がよすぎると、人間ろくなことにならないってことさ、とその昔ザックスの母ちゃんは息子に云って、あまり勉強しすぎないように厳しくしつけたらしい。もちろん、このことがそっくりそのままこの教授に当てはまるとはかぎらないけど。
クルスとベッポ
犯罪組織の一味。クルスは小柄でびっくりするくらい鼻が大きく、赤い。ベッポはのっぽで、びっくりするくらい顔が長い。
シノザキ助手
ホープニッツェル教授の研究助手。ウータイ系の移民で、才能はあるのに、身なりにまったくかまわないことと、コミュニケーション能力に劣るので出世とは縁遠い。うつむきかげんで、なんとなく暗い、あまり近寄りたくない感じのひと。たぶん、本人のせいばかりではないと思うけど。
マチェットじいさん
神羅軍のお抱え乗り物整備士。本人曰く、誇り高きエンジニア。空を飛ぶ乗り物なら、なんでも直せる。年齢不詳。寮の地下に住んでいて、天涯孤独の身の上。クラウドがいつかは自分の跡を継いでくれると信じていて、のべつ勧誘している。クラウドも、まあそれもいいかな、なんて思うときもある。
ペネロペ嬢
ギャングの親玉の、いわゆる慰安をかねた奉仕をする婦人。脱色したふわふわの金髪と、官能的なボディラインを持ち、「イット」をとことんまで追求したタイプ。ザックスとは、いわくのある関係。
エアリス嬢
茶色の巻き髪がチャーミングな女性で、ザックスの彼女。ミッドガルで花を売っているけれど、性格がその花のように可憐だなんて思っていると、痛い目に遭う。要するに、ひとは見た目じゃないってこと。
ピルヒェさん
『アイシック・リポート』の専属ベテラン記者。トレードマークはハンチング帽。コランダー捜査官の友だち。すごく早口。新聞社を代表して、ホープニッツェル教授にインタビューした。
ストライフ君
『アイシック・リポート』のシャイな新米記者。ニッカポッカスタイルとキャスケット帽がトレードマーク。でもこのお話の中に、ストライフという名字の人間はひとりしかいない。念のため。
パトリス君
ソルジャークラス2nd。ザックスの同期。根っからの陽気な性格で、悩みごとも十分と続かないのが悩み。ドーナツが大好き。
カドバン准教授
ホープニッツェル教授の研究チームの一員。長年教授といっしょに研究をしているけれど、自分は日陰の存在ですっかり満足している。世の中には、こういうひともいる。かと思えば、どうしても日が当たらないと満足しないひともいる。そういうひとが日陰にいることを余儀なくされると、とたんにややこしいことになる。
バロッサ、フリッツ、シュミット、カーニング
捜査局捜査官の面々。容姿は特に記載しないので、年齢も顔も好きに想像してほしい。でも、たぶんみんな美形ではない。
レノ
神羅カンパニー総務部調査課通称タークスのメンバー。ニンジンみたいな赤毛。ちょっと変なしゃべり方をする。ザックスと口汚くののしりあうのが得意。
街のお医者
いちじるしく太く、濃い眉を持った、夜間往診に対応している数少ないお医者のひとり。名前はあるけど、すごく複雑で、ちょっとここには書けない。
その他、名前も肩書きもないひとびと
物語では、みんながみんな主役ってわけにはいかない。でも、名前もなく話に一度も登場しないようなひとたちがいないと、物語ははじまりようがない。今回の場合は、プレジデント神羅の口述筆記を任されている秘書。もしこのひとがヒステリーを起こしたり風邪を引いたりして、プレジデントに指示された手紙を書かなかったら、このお話は永遠にはじまらなかった。脇役万歳。